大念寺の寺宝

こちらでは大念寺の寺宝についてご覧いただけます。

十一尊天得阿弥陀如来絵像

ご本尊は、1117年元祖聖応大師良忍上人が46歳の時、洛北大原山中において、念仏修行中に感得されたものです。その時に、阿弥陀仏を中心にした、十の菩薩(十一尊仏)は天空からそのお姿が上人のもとに示現されたので、十一尊天得阿弥陀如来と呼ばれています。もちろんこのご本尊は、融通念仏宗独特のものであります。

 

阿弥陀さまの十の菩薩さまは「十界」または「十法界」といわれ、迷いと悟りの世界を十種類に分けたもので、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界(以上が迷いの世界=六凡)・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界(以上が悟りの世界=四聖)という十通りの世界をあらわしています。

この十法界の思想とお心は、妙法蓮華経(法華経)にあります。


元祖聖応大師良忍上人木像

平安末期の1072年、尾張の国(現愛知県)に誕生されました。12歳で出家し比叡山に登られました。その頃の比叡山は、僧兵をかかえて争い、修行や勉学には決して適しているとはいえない所でした。その為、上人は23歳で、叡山の俗世化から離れ、洛北大原の別所で修行されました。そして来迎院・蓮成院・浄蓮華院等の寺院を建立され、法華経に基づく修行と念仏行、さらには天台学を中心にした学問に明け暮れました。さらには仏教音楽の基礎になる魚山流声明も大成されました。そして1117年上人46歳の時、一心不乱に念仏行に励まれておられる時、阿弥陀仏が示現し、直々に「一人一切人、一切人一人、一行一切行、一切行一行、十界一念、融通念仏、億百万遍、功徳円満」という偈文(げもん)を授けられました。


この偈文こそが、弥陀の妙偈(仏勅)といわれ、本宗の教えの根幹なのです。

仏勅を授かった上人は、1132年に61歳で大原来迎院で入滅されるまで、念仏勧進をされつづけられました。

中祖法明上人木像(第七世)

1279年、河内の国深江の里(現大阪府)に誕生され、25歳で出家されて、高野山や比叡山で修行されました。しばらく途絶えていた本宗の法脈を再び受け継がれ、宗組織の整備をされました。そして、念仏勧進のため全国を行脚して融通念仏を広げられました。

また現世に極楽浄土を表したいと願い、執行された二十五菩薩聖衆来迎練供養は、形を変えて現在まで続いている法要です。そして1349年に71歳の生涯を終えられました。

 


阿弥陀如来坐像

上品上生の印を結んでおられる、当寺のご本尊の阿弥陀仏です。

阿弥陀の国である極楽に往生したいと願う人を阿弥陀仏は迎えに来てくれますが、迎えに来る来迎の仕方に、九通り(九品)あり、それを九品来迎といいます。これは死者の生前の功徳に応じて定められます。

当寺の阿弥陀如来は、上品上生の印を結んでおられます。このお姿は、藤原彫刻の大仏師、定朝の優雅なお姿が基本となっています。有名な宇治平等院鳳凰堂の阿弥陀如来も同じお姿です。


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